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ステレオタイプをご存知でしょうか?ステレオタイプは固定観念や思い込みのことで、これによりコミュニケーションに弊害が出る場合があります。この記事ではステレオタイプを心理学的に解説しますので、ぜひ人間関係の参考としてください。
ステレオタイプってなに?メカニズムを心理学的に解説
ステレオタイプはもともと印刷用語で、活字印刷のために使われていたステロ版印刷が語源のようですが、アメリカの政治評論家・著作家のウォルター・リップマンにより提唱されました。まずはステレオタイプの定義から順に、利点や問題点まで含めて言及いたします。
ステレオタイプの定義
ステレオタイプとは一言でいうと固定観念です。たとえば性別や職業、人種など、属性にたいして単純化されたイメージを指します。
「女性は占いが好き」などがステレオタイプです。占いが好きな女性ばかりとは限らないのに、女性のイメージをひとくくりにして単純化しているわけです。
ステレオタイプは情報の効率的な把握というメリットがある反面、偏見や差別につながるデメリットもあります。
ステレオタイプはなぜ起こるのか
ステレオタイプが起こる理由は、メディアや広告にあるとウォルター・リップマンは言います。我々はメディアや広告から情報を得ています。
その量は膨大であるため、全ての情報の裏を取るゆとりがありません。そのため、思考を省略したイメージが固定化し、ステレオタイプを生むことになります。
最近ではインターネットの普及により、さまざまな情報をすぐ調べられる時代ですので、情報の客観性をチェックする習慣をつけましょう。
ステレオタイプの利点
ステレオタイプの利点は、単純化されたイメージの型にあてはめることで、情報処理が効率的となるところです。たとえば「子どもは道に飛び出しやすい」というステレオタイプにより、親は子どもが飛び出すことを事前に察知することができますし、車などを運転している人は交通事故を回避するよう心掛けができます。
このように、ステレオタイプには一定のメリットがあるのです。
ステレオタイプの問題点
ステレオタイプの問題点は、偏見や差別につながるところです。否定的な感情が伴うステレオタイプの場合、対象となる相手に偏見を持ったり、差別感情を持ってしまうのです。
「〇〇の国の人は約束を守らない」「〇〇の地域の人は乱暴だ」など、全員に当てはまる筈がないことを一括りにして、無意味に相手を傷つけたり、不利益を与えるケースがあります。
偏見とステレオタイプの違い
ステレオタイプが偏見につながり得るものの、ステレオタイプ=偏見ではありません。偏見はマイナスイメージのみを指しますが、ステレオタイプには先述の利点もあります。そのため、偏見とステレオタイプは同義ではないのです。
ステレオタイプの例
ステレオタイプの具体例として以下内容を紹介します。人間関係のトラブルの要因になり得る内容ですので、そうならないよう、ぜひ参考にしてください。
- 性別のステレオタイプ
- 職業のステレオタイプ
- 人種のステレオタイプ
- 県民性のステレオタイプ
- 血液型のステレオタイプ)
性別のステレオタイプ
性別のステレオタイプには、男性だからとか、女性だからというものがあります。
「男性は力持ち」
「女性はおしとやか」
女性でも力持ちな人はいますし、力のない男性もいます。また、おしとやかな男性もいれば、活発な女性もいます。
このように、男性や女性に対する固定観念として、ステレオタイプが存在するのです。
職業のステレオタイプ
職業にもステレオタイプが存在します。
「IT系の人はチャラチャラしている」
「ガテン系の職業の人は乱暴だ」
など、固定観念を持つケースがあります。また、職業のステレオタイプは性別のステレオタイプを合わせ持つことも多く、たとえば
「トラックドライバーは男性がするもの」
「保育士は女性がするもの」
などという固定観念もあります。
人種のステレオタイプ
人種のステレオタイプには以下のようなものがあります。
「アメリカ人だから主張が強い」
「日本人は大人しい」
「イタリア人だから陽気」
何となく、こういうイメージを持っている人も多いことでしょう。
県民性のステレオタイプ
県民性のステレオタイプもありがちです。たとえば以下のステレオタイプを耳にしたことがあるはずです。
「東京の人は冷たい」
「京都人は意地悪だ」
「大阪の人は面白い」
「高知の人は酒豪だ」
コミュニケーションのネタとしては面白いかも知れませんが、エスカレートすると偏見や差別につながるため要注意です。
血液型のステレオタイプ
血液型のステレオタイプもよくあります。
「A型は几帳面」
「B型は自己中心的」
「O型は大雑把」
「AB型は変わっている」
これらは一切科学的根拠がなく、単なるステレオタイプです。
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まとめ
ステレオタイプとは固定観念で、性別や職業、人種など、属性にたいして単純化されたイメージを指します。情報処理が効率的となるメリットがある反面、偏見や差別につながるデメリットもあります。
人間関係で固定観念を持ちすぎると、トラブルの元となります。思考や発言がステレオタイプではないか、日頃から意識して客観的な思考を心掛けましょう。
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