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人間には損失回避の心理があることをご存知ですか?得するより損したくないという心理の理論を「プロスペクト理論」といいます。恋愛やマーケティングへの応用も含め、この記事で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
損失回避の心理学!プロスペクト理論
人間は得をするよりも、損失を回避するという心理が働きます。このことをプロスペクト理論と呼びます。プロスペクト理論について、例え話を交えて詳しく紹介します。
- 人間には損失回避バイアスが働く
- ギャンブルで例えるプロスペクト理論とは
人間には損失回避バイアスが働く
プロスペクト理論は、人間の無意識に根ざす理論です。人間は得るものよりも失うものを大きく感じるというバイアスが働いています。
それにより、ビジネスや恋愛、投資など、さまざまなシーンで損失回避的な選択をしています。
ギャンブルで例えるプロスペクト理論とは
プロスペクト理論を、簡単なギャンブルで例えると分かりやすいです。この記事を読んでいるあなたも考えてみていただきたいのですが、ここに10円玉があり、コイントスをして、表が出れば200万円もらえます。
裏が出れば1円ももらえません。このギャンブルにチャレンジしなければ100万円もらえます。さてあなたはチャレンジするでしょうか?
チャレンジするかしないかは、その人の状況によって異なるのですが、そこには一定の傾向があります。
現在損失がなければリスク回避を選ぶ
もしも今、借金などの損失を持っていない人の場合は、チャレンジせずに100万円選ぶ人が多いことが実証されています。
チャレンジして成功した場合、200万円を得られますが、失敗すると1円ももらえず、最も確実に得できる方法を選ぶ傾向があるのです。
現在損失があればチャレンジを選ぶ
一方で、たとえば現在200万円の借金(損失)がある場合には、チャレンジする傾向が実証されています。金額や質問を同じにしていても、状況が異なるだけで選択が変ります。
いずれの場合も損失を回避する傾向であるため、損失回避の法則と呼ばれています。
恋愛における回損失回避性とは?
恋愛における回損失回避性について紹介します。恋愛で有利に働くかも知れませんので、ぜひ覚えておきましょう。
- 交際前:告白して振られたくない
- 交際後:別れたくない
交際前:告白して振られたくない
片想いの相手がいても、損失回避のため告白できないケースが恋愛におけるプロスペクト理論です。振られて人間関係が悪化することや、一緒にいれなくなるリスクを避けようとします。
交際しない損失のアピールが重要
意を決して告白する場合、逆にプロスペクト理論を利用する手もあります。逃がした魚は大きいという印象付けや、モテをアピールして他の人との交際を匂わすなど、交際しないことによる損失を上手にアピールしましょう。
あなたと交際しないことでどういう損失があるのかは、あなたと交際することで得られるメリットから考えると良いでしょう。交際しない場合は、そのメリットが損失となります。
交際後:別れたくない
交際後や結婚後のプロスペクト理論として、別れたくないケースは、別れることによる損失がある場合に成立します。
1人になる孤独や、離婚による収入のストップなどが、別れるという選択肢を回避します。
マーケティングにおけるプロスペクト理論
マーケティングでもプロスペクト理論が働きます。上手に活かせば売上アップにつながるため、知っておくと良いでしょう。
- 購入して得しようと思わない
- 購入せずに損をしたくない
購入して得しようと思わない
商品サービスの購入を回避するケースは、得をしようとしていない可能性があります。現状顧客が損をしていないと思っている場合、ニーズがないのかもしれませんので、購入しないことによる損失の有無を掘り下げてみる必要があります。
購入せずに損をしたくない
逆に、購入しないことによる損失が明確化すれば、損失回避の理屈により購入してもらいやすくなります。たとえば、契約すると月額料金が安くサービスの場合、「安くなる」というお得感を強調するより、「このままではもったいない」と強調した方が売れやすくなるでしょう。
売るためには現状の不満を顕在化
売るためには現状の不満を顕在化が重要となります。ヒアリングを重ね、どういうところに不安や不満があるのかを浮き彫りにしましょう。
「もし現状に不満があるとすれば、どんなことがございますか?」など、不満があることを前提とした質問をすると、不満が浮き彫りになりやすいです。
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まとめ
同じ内容や質問を提示しても、状況によって人間の選択は異なります。得するより損したくないというプロスペクト理論を知っておきましょう。プロスペクト理論は恋愛やマーケティングへの応用も含め、さまざまなケースで役立ちますので、ぜひこの記事を参考にしてください。
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