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ネガティブな感情はどのような悪影響をもたらすのでしょうか?この記事ではネガティブ感情を心理学的に解説した上で、脱却方法やポジティブが好ましい理由について紹介します。ぜひ心理学的な豆知識として参考にしてください。
ネガティブ感情がもたらす悪影響
ネガティブ感情はさまざまな悪影響をもたらします。まずはネガティブ感情が及ぼす悪影響の中から以下を紹介いたします。
- 脳のネガティブを深めてしまう
- ネガティブ感情がネガティブな現実を集め
- ポジティブな人から敬遠される
- 病気になりやすくなる
脳のネガティブを深めてしまう
人間の脳は、ネガティブな出来事があった際、繰り返し思い出すことで深みにハマる性質があります。たとえば、レコード盤は何度も音楽を聞いていると、針によって溝が深くなります。
人間の脳もレコードと同じように、繰り返しの思考でハマっていくのです。つまり、ネガティブ感情の悪循環となり、どんどん気持ちが沈んで行ってしまいます。
ネガティブ感情がネガティブな現実を集める
人間の脳にはRASというシステムがあります。これは情報の取捨選択であり、自分が意識している情報だけピックアップするシステムです。
ネガティブな感情でいると、脳がネガティブな情報ばかりピックアップしますので、どんどんネガティブな現実が引き寄せられています。
また、同じ情報を拾っても、捉え方までネガティブになることあり、一層ネガティブ状態になり得ます。ネガティブ感情が広く深くネガティブを呼び寄せるのです。
ポジティブな人から敬遠される
人間関係の面でもネガティブな人はマイナスが多いです。というのも、ポジティブな人はネガティブな人を敬遠する傾向があるからです。
心理学や脳科学を含め、自己啓発に関する情報が届きやすくなったからか、ポジティブシンキングの重要性が広く知られるようになりました。
結果、不平不満や愚痴、マイナス発言ばかりしている人と一緒にいたくないというポジティブ思考の人が増えているため、ネガティブな人はネガティブな人としか付き合えなくなってしまいます。
病気になりやすくなる
ネガティブ感情は、自律神経が活性化し、これが長く続くことで健康に悪影響を及ぼします。ネガティブ感情が血圧を高めたり、心拍数を増やしたりして、心身症などの疾病を招くこともあります。
ネガティブ感情は心にも体にもマイナスだと知っておきましょう。
ポジティブ感情が好ましい心理学的理由
一般的にネガティブはよろしくなくて、ポジティブを良しとしている風潮がありますが、心理学的に見てもポジティブ感情は好ましいです。その理由について以下を紹介します。
- ネガティブ感情から素早く脱出しやすくなる
- 創造性が上がる
- 健康につながる
ネガティブ感情から素早く脱出しやすくなる
ポジティブになると、ネガティブ感情から素早く脱出しやすくなります。ネガティブな出来事があったとしても、その中にポジティブな意味を見いだせれば、思考や行動のレパートリーが広がって、ポジティブの材料を得ることができます。
それらがポジティブ感情の好循環を生み、どんどんポジティブになれます。ネガティブな出来事があっても素早くポジティブになれるのですから、逆境に強いともいえます。
創造性が上がる
ポジティブ感情が直接特定の行動に影響することはありませんが、ポジティブ感情を経験することが、クリエイティブな思考を増加させるといわれています。また、学習機会の増加も指摘されています。
健康につながる
ポジティブ感情は、ネガティブ感情で高められた心拍率や血圧などの影響を、素早く元に戻してくれます。
また、ポジティブ感情によってナチュラルキラー細胞(がん細胞を攻撃する兵隊役である、リンパ球の一種)が増加しますので、がん再発リスク軽減させるという報告もあります。
免疫力を高めてくれるポジティブ感情は、健康につながるのです。
ネガティブ感情から脱出する方法
ネガティブ感情が悪影響だと分かっていても、なかなか手放せないという人も多いでしょう。そこで、ネガティブ感情から脱出する数ある方法の中から、取り組みやすい方法として以下を紹介します。
- 意図的にネガティブ感情を遮断する
- 特定条件下でストレスが害悪でないことを知る
- 単純なゲームをする
意図的にネガティブ感情を遮断する
ネガティブ感情は意図的に遮断するよう努めましょう。その方法としてクリアリングプロセスをおすすめします。クリアリングプロセスとは、マイナス思考をクリアして、脳をプラス状態に変える方法です。
ネガティブを感じた時に意識的に考えないようにするのですが、その際にカンタンな身体の動きを加えると良いでしょう。
指を鳴らしたり、指先を見たり、耳たぶを触ったりするなどして、意識と体現でネガティブを消去しましょう。
特定条件下でストレスが害悪でないことを知る
ネガティブな人は、ストレスを感じることにより、さらにネガティブになることがあります。つまりストレスがネガティブの悪循環を導くのです。
しかしストレスは害悪とは言い切れません。スタンフォード大学の研究によると、「ストレスが体に悪くないと思っている人にとっては、ストレスは体に悪くない」ことが分かっています。
逆に「ストレスが体に悪いと思っている人にとっては、ストレスは害悪に働く」のです。このことを知っているだけでも、ネガティブの悪循環を断てるでしょう。
単純なゲームをする
ネガティブ感情はカンタンなゲームによって緩和することができます。心理学の研究で、テトリスがPTSD(心的外傷後ストレス障害)を緩和させることが分かっています。
辛い時はカンタンなゲームをして気を紛らわせましょう。
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まとめ
ネガティブ感情は誰もにあり得ますが、長く続くと心と身体の健康に悪影響です。逆にポジティブ感情はプラス面が多いため、ネガティブをクリアしてポジティブに働きかけましょう。ここで紹介した、ネガティブ感情を手放す方法はぜひ参考にしてください。
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