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少しのことですぐカッとなってしまい、これまでの人生で損をしていませんか?すぐに怒る人は周りの人からも敬遠されてしまいます。そこでこの記事では、怒りをコントロールする心理学的方法を紹介します。上手にアンガーマネジメントしてくださいね。
心理学的に面白いほど怒りをコントロールできる方法!
怒りをコントロールする方法はさまざまですが、誰でも簡単にできる方法として以下を紹介します。
- 6秒だけ我慢する
- 目を上にする
- 影響のないところで吐き出す
6秒だけ我慢する
怒っている時にはIQが下がっています。そのため、頭では怒ってはいけないと分かっていても、感情が先に立ってしまうのです。
怒らないように気を付けていても、いざ腹が立つ出来事に遭遇すると、我慢できないのが人間なのでしょう。そこで、我慢のハードルを下げましょう。
怒りの感情が湧き出てきた時、6秒だけ我慢してください。たったの6秒だけなら我慢できる気がしませんか?6秒我慢すると怒りの感情をコントロールしやすくなります。
これはNHKのニュース番組でも紹介されていた方法です。腹が立った時は、無言で6秒数えましょう。
目を上にする
目を上の方向に向けるというのもおすすめです。NLP(神経言語プログラミング)の手法を応用したものですが、目の動きと脳は密接に関係しています。それを利用して怒りをコントロールするのです。
人間は感情の処理をしている時に目が下に向く傾向があるため、あえて上を向くことで感情へのアクセスを遮断するのです。怒りのみならず、不安などのマイナス感情が沸いた時にも上を向くと良いでしょう。
影響のないところで吐き出す
感情を貯めこまず、吐き出すのも良いでしょう。人間には承認欲求という認められたい欲求があり、承認欲求は話すことで満たされます。
誰かに話しを聞いてもらったり、SNSや2ちゃんねる、ヤフー知恵袋に書き込むなど、上手に発散しましょう。
ただし、SNSなどで書き込む場合は個人情報に気を付ける必要がありますし、反論されて傷つく場合もあるでしょう。
そのようなリスクを回避したい場合は、心理カウンセラーに相談するのもおすすめです。いずれにせよ、生活に影響のないところで吐き出しましょう。
長く残る怒りを抑える方法
怒りの感情は瞬間的な怒りだけではなく、長く続く怒りもあります。いつまでもモヤモヤしていたり、思い出すたびに怒りがこみ上げることもあるでしょう。長く残る怒りには、以下のような対処をしましょう。
- 相手の立場で考えてみる
- イライラを客観視する
- アンガーマネジメントを人に教える
相手の立場で考えてみる
怒りは対人関係が生み出すケースが多いです。怒りの原因を作った相手がいる場合、一旦は相手の立場で考えてみましょう。このことをポジションチェンジといいます。
上辺だけで考えるのではなく、相手に成りきって考えてみましょう。そうすると、相手にも仕方がない事情があったと理解できるかも知れませんし、そもそも怒りを感じるほどの内容ではなかったのかも知れません。
イライラを客観視する
相手の立場で考えるということは、ものごとを俯瞰して見るということです。この俯瞰能力が備わっていると、ものごとを客観視できるようになります。
当事者ではなく第三者のつもりで考えた場合に、あなたが怒りの感情を抱くことは妥当なのか、必要以上に感情的になっていないかを分析してみましょう。
仮に100%相手に非があったとしても、怒りの感情が不要な場合もあります。同じ事をされたり同じ事を言われても、怒る人と気にしない人がいます。
つまり、怒りの感情は出来事に付随しているのではなく、出来事に対してあなたが怒るという選択をしているのです。その事実を知っただけでも、怒りの気持ちが緩和されることもあります。
アンガーマネジメントを人に教える
怒りの気持ちを上手にコントロールすることを、アンガーマネジメントといいますが、アンガーマネジメントの方法を人に教えると良いでしょう。
人に教えているうちに、自分が実践できていなかったところに気付けたり、自分で反省できるようになるでしょう。
ものごとは教わるのも学びですが、教えるのも学びです。「自分ができていないことを人に教えられない」などと考えず、教えながら学ぶのも良い方法です。
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怒りの原因を心理学的に解説
そもそも怒りの正体とは一体なんなのでしょうか?湧き上がってくる何とも言えない怒りの感情について、以下を解説します。
- 怒りとは複数のマイナス感情
- 脳が活性化した状態
- 怒りは精神的負担を産み出す
- 怒りはタバコの副流煙と同じ
怒りとは複数のマイナス感情
怒りの感情は単一のものではなく、複数の異なる感情があると言われています。たとえば、悔しさや不満、嫌悪感のほか、憎しみや不信感、敵意など、さまざまな感情が怒り感情なのです。
中には後悔や罪悪感、自責の念など、他人だけではなく自分に向けられるものもあります。
脳が活性化した状態
怒りの感情により、脳内で行動活性化システムが働きます。これは、あらゆる脳機構が働き、目的を果たすという心理状態になります。
目的とは相手に過ちを認めさせることや復習を指します。いずれにせよ、行動活性化システムが働いた状態であり、一説によると神経伝達物質であるドーパミンがこの状態を作り上げていると言われています。
怒りは精神的負担を産み出す
怒りの感情はストレスホルモンであるコルチゾールを多く分泌させるため、不安や憂うつのほか、睡眠障害や記憶力低下、集中力低下などの原因となります。
逆に、対人葛藤を避けた場合はコルチゾールが低下することが分かっているため、人を許して怒りを開放することは自分の健康に良いと言えます。
一説によると数秒本気で怒った場合、自律神経には数時間悪影響となるため、怒りの感情は割に合わないものなのです。
怒りはタバコの副流煙と同じ
怒りは本人だけでなく、周りの人へも悪影響を及ぼします。人間の脳にはミラーニューロンという感情をうつす機能があります。
梅干しを食べている人を見て唾液が分泌したり、あくびがうつるのはこのためです。怒りの感情が他人にうつることで、他人のメンタルにも悪影響を及ぼします。怒りの感情はタバコの副流煙のようなものだと考えましょう。
怒りが抑えられない病気がある
怒りが抑えられない病気について紹介します。このケースでは本人にコントロールできませんので、ちゃんと治療する必要があります。
怒りをコントロールできない病気とは
怒りをコントロールできない病気は「間欠性爆発性障害(かんけつせいばくはつせいしょうがい)」と言います。
急に怒りの感情を爆発させて、暴言や暴力行為を行います。通常は週に2回ほど発生し、30分以内に収まることが多いです。重度の場合には人にケガをさせたり、モノを壊すほど爆発的な行動を起こすこともあります。
間欠性爆発性障害の原因
間欠性爆発性障害(かんけつせいばくはつせいしょうがい)は、「遺伝要因」「生理学的要因」「精神力動学的因子」「環境要因」があると言われています。それぞれ以下の表で解説します。
遺伝要因 | 親族が同じ病気になりやすい |
生理学的要因 | セロトニンというホルモンが異常に作用 |
精神力動学的因子 | 自己愛が傷つけられることへの防御 |
環境要因 | 幼少期に親からのDVなどで、心や身体にキズを負った場合になりやすい |
間欠爆発症の治療法
間欠性爆発性障害(かんけつせいばくはつせいしょうがい)の治療方法は、薬物療法と精神療法の併用が効果的です。
薬物療法では、抗てんかん薬や抗精神病薬、三環系抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など、状況に合わせて処方されます。
精神療法は、怒りの衝動プロセスを理解させ、爆発的な行動ではなく、ちゃんと言葉で表現できることが目標となります。ただし、治療中に怒りを表すこともあるため、治療の難易度は比較的高いと言われています。
イライラを落ち着かせる方法のひと言アドバイス
イライラを落ち着かせるための方法を紹介しましたが、とりあえずすぐできることとして、6秒我慢を実践してください。これをベースにほかの方法も並行してみてはいかがでしょうか。
怒りに関するQ&A
怒りに関するQ&Aを紹介します。ぜひ参考にしてください。
Q:怒りが収まらない時の魔法の言葉はありますか?
A:「今自分は怒るという選択をしている」と自分に投げかけましょう。同じ出来事でも怒る人と怒らない人はいるのです。
Q:幼い子どもの前で親が怒るのはよくないですか?
A:幼い子どもの前で親が怒ると、子どもの脳が変形し、将来に渡って悪影響を及ぼす可能性があります。先述の間欠性爆発性障害になる可能性もありますので、控えなければなりません。
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まとめ
怒りの感情は人間関係に悪影響なだけでなく、身体にも悪いです。些細なことで怒らないよう、日頃からアンガーマネージメントを心掛けましょう。アンガーマネジメントは手軽にできるものばかりですので、できることから取り組むと良いでしょう。
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